チョコレートの成分がコレステロールの改善に注目されるワケとは⁉︎
職場の人間ドック、地域の健康診断。体の不調で通院したときに偶然行った血液検査。
さまざま方法で自分の体の状態を知ることができるようになっています。そのため、従来よりも簡単に素早く調子が良くない部分を理解できるようになったため、予防することや改善することも簡単になってきました。
このような時代に変化したことは大変意味のあることですし、いつまでも健康で楽しく暮らすためには不可欠なことだと思います。
いっぽう、こうした検査によって「この数値はマズイ」という気分になったり、医師から「生活習慣を気をつけてくださいね」と言われたりしても、体の不調を無視して過ごしている方もいらっしゃいます。
私も実際、太りやすくなったりとか寝ても疲れがとれないのについつい後回しにしちゃってるので、考えないといけないなぁと思います。
特にすぐ体へ大きな影響が出にくい「コレステロール」や「中性脂肪」の異常。最近では「脂質異常症」と呼ばれる症状の場合、体に異変が感じられないため、
・まだまだ若いし大丈夫
・ある程度運動はしてるし
・コレステロールが多いって言われたけれど気にしない
・食べたいものを食べて楽しみたい
というように、これまでの生活を改善することなく「いつもと同じ」暮らしを続けているという方もいらっしゃいます。
そこで今回はコレステロール値が気になる方のために、どのようなポイントに気をつけ改善を目指せるのかについて発信できればなぁと思います。
健康診断や人間ドックを受けた人の3人に1人はコレステロールや中性脂肪の異常が見られると言われています。
しかし、先ほども少しふれましたが、脂肪(正確には血中脂質)の異常は差し迫った危険性を感じることはほとんどありません。そのため放置したままという方も多いのが現実でしょう。
★血中脂質をご存じですか?★
診断を受けた結果を見ると「血中脂質」という項目があると思います。私たちの血液には、次のようなものが含まれています。
・水分
・タンパク質
・糖質
・無機質
・脂質
・ビタミン
・ホルモン
・老廃物
この中の「脂質」を血中脂質と呼んでいます。血中脂質には
・中性脂肪
があり、どちらも一般的には「悪者」扱いされている脂質と言えるでしょう。
しかし、この2つの脂質ですが、どちらも体からなくなると大変困ります。どちらも健康な体を維持するためには必要な材料でありエネルギー源なのです。
具体的に2つの脂質について見ておくと、次のような特徴があります。
コレステロールは、私たちの体を作っている「細胞の膜」を作る成分としての役割を持っています。また脂肪の消化や吸収を助ける「胆汁酸」の材料にも利用されています。
②中性脂肪
中性脂肪と聞くと
・体に必要のないもの
・なくなったらいいのにと感じるもの
こういう感覚が一般的だと思いますが、中性脂肪も体に役立つ働きをしています。
・体の温度(体温)を保つ
・内臓を保護する
どうでしょうか!コレステロールも中性脂肪も、なくなってしまっては困るのです。
しかし、コレステロールや中性脂肪が多すぎるのも問題。血中脂肪が増えるほど、体にとって致命的な病気を引き起こす原因になりやすいのです。
ここで気になるのが「どうしてコレステロールや中性脂肪が増えるのか」ということでしょう。
一般的な考え方をすると「脂っこいもの」を食べると、脂が体に吸収されてそのままコレステロールや中性脂肪になるように思っている人がいるかもしれません。
しかし本当はそういう仕組みになっているのではなく、私たちが食事から取った脂がそのまま血中脂質になるのではなく、体で使えるように作りかえられ、利用されるようになるのです。
・糖質
・タンパク質
こういった栄養素も原料としています。そのため脂を取らなくても糖質が多いと血中脂質が増えてしまうこともあるのです。
それではここで、私たちが食事から摂取した栄養素が、どのようなメカニズムでコレステロールや中性脂肪になるのかを簡単に見ておきましょう。
①食事に含まれている栄養素が肝臓で合成され「コレステロール」を作ります。あまった栄養素は「中性脂肪」になります。
②コレステロールと中性脂肪が体の組織へ運ばれます。運ぶ役割のものを「リポたんぱく」と呼んでいます。リポたんぱくがコレステロールと中性脂肪を積み込み血液中へ送り出されます。
③血液中を移動する間に、中性脂肪は分解されエネルギーとして使われていきます。そうするとコレステロールが残ってきます。
④コレステロールが細胞に取り込まれ使われます。あまったコレステロールは肝臓へ戻っていきます。
⑤肝臓に戻ったコレステロールは、胆汁の材料となります。
おおまかに流れをお伝えするとこのようになります。私たちの体は大変うまく作られているため、適切な量の血中脂質であれば体全体で余ることも不足することもなく「ちょうどいい」状態を維持できるようになっています。
★食事で注目するのは脂肪酸★
脂質を減らすだけではいけません。適切な脂質を取ることで、体に必要な脂が増え正しく循環するように整えることができるのです。
【脂肪酸とは】
脂肪酸には以下のような種類があります。
肉やバター、チーズなどに含まれている脂です。一般的には「パルチミン酸」「ステアリン酸」という名前で使われています。
この脂肪酸はコレステロールの材料になるものですので、取りすぎには注意したい脂です。とりすぎるとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増える原因にもなります。
不飽和脂肪酸には、2つの種類があります。
◉一価不飽和脂肪酸
オリーブオイル、キャノーラ油、サフラワー油、そしてチョコレートにも含まれている脂です。「オレイン酸」という名前が一般的かもしれません。
この脂肪酸は大変うれしい機能を持っています。HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減らすことなく、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)だけを減らす特性があると言われています。
◉多価不飽和脂肪酸
大豆油、コーン油、エゴマ油、さんま、サバなどに含まれている脂です。
リノール酸、α-リノレン酸、EPA、DHAという名前で記憶されている方も多いことでしょう。
LDLコレステロールを減らす作用が強く、中性脂肪値も下げる働きがあると言われています。
★チョコレートの成分でうれしいこと★
このように脂肪酸には種類があります。そしてその中でも注目したいのが一価不飽和脂肪酸である「オレイン酸」。
オレイン酸はその特徴から、自分に適した量を摂取することで血中脂質を整えることが期待できます。
でも、毎日オリーブオイルを使うことは簡単ではありません。そこで知っておいていただきたいのがチョコレートの存在です。
チョコレートには、
・デオプロミン
が含まれていますので、健康維持に効果的で食べやすいものと言えます。
カカオの豆に含まれている成分です。ポリフェノールは抗酸化作用によって「動脈硬化」の予防も期待できます。
また、ストレス解消や疲労回復、脂肪燃焼にも効果があると言われています。
脂質異常症によって起こる可能性のある原因を改善するポイントを満たしていることがわかります。
(2)デオプロミン
こちらもカカオの豆に含まれている成分です。カフェインの仲間なのですが神経を興奮させる作用ではなく、自律神経を整える効果があると言われています。
精神的なリラックスを促す効果も期待できますので、脂質が気になる方の生活習慣改善にも役立つことでしょう。
(3)オレイン酸
チョコレートに含まれている脂肪酸です。先ほどお話しましたように、一価不飽和脂肪酸なので、HDLコレステロールを減らすことなく、LDLコレステロールだけを減らす作用が期待できます。
脂質異常症によって引き起こされる可能性がある「動脈硬化」の予防を期待できますし、抗酸化作用によって肌の潤いを保つ効果も期待できます。
コレステロール値が気になる方は、脂肪の摂取をやめるのではなく良質な脂を取るように意識を変えてみるとよいでしょう。
また今回紹介しましたようにチョコレートに含まれている成分は、コレステロール値が気になる方なら、カカオが多く含まれているものを適切に食べることで、体へ良い影響をもたらせてくれるはずです。
わたしはこれからは、運動後や勉強中などにチョコレートを少しずつ摂取するようにして身体にどんな変化が表れるのか試してみたいと思います。
皆さんも無理せずに自分のペースで出来る範囲で少しずつ、生活習慣を変えていき今まで以上に人生を楽しくしましょう!